みみずく

見る前は、この映画はジョンとかいうアメリカ人の人生を描いたものなんだろうな、くらいの認識でした。
それがまさか火星に行くなんて……。

はい、火星が舞台です。

主な登場人物は、
ムキムキなやる気なしアメリカ軍人・ジョン、
不老不死の変な生き物たち・サーン、
火星に住むトカゲ一族、
トカゲのうっかり娘・ソラ、
火星に住む青の陣営の王女（研究所の理事、巨乳、王女とハイスペック）、
王女と結婚したい赤の陣営のダメ将軍、
ジョンに振り回されている可哀想なジョンの甥っ子

です。


主なストーリーは、ジョンが地球に来ていたサーンのメダルを不用意に触って火星に行き、敵対する青赤陣営に巻き込まれてさあ大変。
王女が気になりつつ、なんとか地球に戻るために奮闘する――というお話です。




ざっと時系列並べると、※（）の中は後からわかる事実

（戦争に行く。たぶんWW１前のアメリカ内部での戦争）
（いい感じに手柄を立てる）
（でも奥さん（と、たぶん幼い子供）巻き込まれて死ぬ）
もー戦争やだ
やさぐれる
ふっきれる

俺、黄金の洞窟探すんだ！！

張り切る

原住民と争う中、洞窟発見。
サーン登場（地球見学中らしい）
サーンをうっかり銃殺（サーンは不老不死設定なのに、なんで？）→メダルゲット
メダルと呪文で火星へワープ


地球と重力が違う火星で、スーパー大ジャンプを身に付けたジョンはその身体能力をかわれてトカゲ一族に飼われることに。
マッパになったり変な液体飲まされたり鎖に繋がれたりと、これ本当にディズニー映画？


ある日上空に何隻もの戦闘艦が現れる。
どうやらサーンから（サーンは何人もいる）超能力を手に入れた赤のダメ将軍が、これ以上攻め込まれたくないなら青の王女を嫁に渡しな！と無茶を言った模様。
ダメオ発言ですな。

青の王女は自国の危機ながらも「絶対に嫌」と逃亡→赤青の空戦に発展


目障りな人間たちが互いにつぶし合うのはいい見物、とトカゲたちは観戦。
そんな中、ジョンは空中に投げ出された人間に気づき、大ジャンプで救出。
王女でした！

王女もトカゲの棲家に飼われることに。
ジョンはもう戦争は嫌なんですが、王女を生かす代わりに他のトカゲ族と戦うことを強要される。
じゃあ二人で逃げましょうよ、と王女に唆される。


この王女もそうなんですが、ちょっとこの映画に出てくる人たちの格好変。
トカゲは仕方ないとして、砂だらけで乾いた火星においてなんでそんな軽装というか露出が激しいの。チラリズムとかじゃなくて本当に肌見えすぎ……太陽光は地球より害はないんだろうけれど、風よけのマントとかいらないのかな……。

ともかくジョンのムキムキとか王女のおっぱいが気になる！
ジョンは映画の中でほぼ半裸です。



その後入ってはいけない神域に入った罪で追放されるジョンと王女、とばっちりを受けたトカゲ族の女性・ソラ。
追放先の女神の川の場所なら知っているわ！と王女が先導するが、
実は王女は自国にジョンが来てくれたら赤の将軍をぶち倒してくれるかも？と期待して川ではなく自国の方向に向かわせる。

ソラがそれに気づいてジョンに教えると、ジョンはため息。
今までの王女の嘘やたくらみにへきえきしていたらしく、王女を乗り物から落とすと、その場に置き去りに。

王女は
この地球人とかうそつきめがー！！
地球とか海とかありえないでしょ！！
あんたもね、帰れるわけないんだからねー！！
とか喚くんですが、ジョンとソラが足を止めないのを見て、ついに泣きだす。


ごめんなさいしたところで旅の再開。
……この後急激に二人のいちゃいちゃが増えるんですが、まさかの泣き落としか……？
でもジョンは亡くなった奥さんとの指輪を惜しんでいるので、王女としては上手く落とせずジリジリ状態です。





たどり着いた先の川には謎の建造物が。
中に入ってみると謎パワーを持つ「第九光線」のことや、ジョンが地球から電信でワープしたことが分かる。

第九光線ってなに、と悩むジョンに王女は、もっと知りたかったら自分が研究しているから、王国の第九光線研究所に来てほしいという。
それって王国に連れて行きたい口実じゃないの？と疑うジョンに、うまくいかない王女はジリジリ。


結局王国に向かうんですが、そこには「王女を空から落としてしまったのを謝りたい」と丸腰の赤の将軍が。
謝意の表明に部下も連れず、身一つで来たという将軍に青の王様は「こんなに謝っているんだからもう結婚しなよ」と王女に言う。

じゃあ赦してやるから攻めてくるな、結婚もなし！
とか言えばいいのにそれ以前にここで叩き切ってしまえばいいのに、王女は年貢の納め時と観念して結婚を承諾。
なんで！？

仮にも婚約者の命を危険にさらしたんだから「こんな男の属国になると我が国の民の先が知れぬなーここは停戦条約を見直さなきゃなー、んー？」とか言う外交のいいチャンスなのに。
のこのこ敵国にきた赤の将軍も考えなしなら、「丸腰で敵国に婚約者のために来るとか男らしい！」とか思っている青の王様もダメだと思う。




そのころ別行動でサーンと接触したジョンはサーンから、

第九光線のこと研究されたら困るから王女殺したいんだよね。
だから赤の将軍に力あげたんだけれどさ、ほらダメな男の方が扱いやすいでしょ？（ダメ男可哀想）
今の赤青が統一されたら観察もしやすいしさ、あの将軍は「火星の覇者にしてあげる」って言ったらホイホイ乗ってきたよーウケるわマジ。
僕たちはねこうやって何千年も前から歴史の観察をしていたのさHAHAHA。
そうそう、結婚式で二人が誓い合った瞬間に殺すから。

と、カミングアウトされる。


な、なんだと！
じゃあさっさと王女を操るなり研究所を破壊するなりすればいいのに、なんなんだ！？
と、いうのは私の感想です。

誓い合った瞬間に殺すとか、残された青の陣営は納得しないでしょ……これから赤青統一国家が始まるというのに次代を生む自分たちの王女が変死したらさ……。
それが観察したい歴史なのか？
わからん！


地球には戻してあげるから邪魔しないでね、と釘を刺されるが納得がいかないジョンは結婚式に乗り込むための身分を手に入れるため（だった気がする）、トカゲ一族のところへ戻る。

そしてトカゲの長の首をあっさりはね落とし、ジョンがトカゲ一族の長に。




いよっしゃあああ俺たちの火星を守るんだ！
サーンの言いなりにはならないぜきゃっほー！！
ダダダダダダ……（馬モドキが荒野を駆け抜ける）



このノリでトカゲ一族みんなで結婚式に乗り込み。
ディズニー110周年記念映画はちょっと過激ですね。



この前後からジョンが人外。スーパージャンプだけだなく、怪力もゲット。岩もぶん投げる。
普通、重力が弱いところで暮らしていたら筋力は衰えてしまうんじゃないかと思うが、もういいや……。
初見の飛行機も乗り回しちゃうし、アメリカ軍人すごいね。そりゃ世界の警察とか自称しちゃうね。

なんとなくアバターを思い出しました。
アメリカ映画っていっつもこんな感じな気がする。



んで、勝利。
赤のマダオはさくっと死に、サーンは逃走。王女ゲット。ベッドイン（ここいるか？）
この手のベッドインはどの映画でも萎える……「トランスポーター」でもイラッとしたなあ。
子どもの存在が伏線になるならまだしも、愛の表現にセックスを持ってくるのが単純すぎて嫌なんですよ、やりゃあいいってもんじゃないでしょ。日本の少女マンガじゃあるまいし。



「おれは火星のジョン・カーター……か」

夜空を眺めて地球に想いを馳せるジョンの背後から「実はやられた振りしていただけだよーん♪」とサーン登場。
さくっとジョンを強制ワープ。
なんでさっきの戦闘中にやらなかったの？


とりあえず念願の地球帰還を果たしたジョンは黄金を手に入れて大金持ちに。
火星に戻って王女に会うために、地球に来たサーンを取り押さえてメダル奪わなきゃな、と罠を仕掛ける。
内容はジョンの肉体を手に入れたいサーンを甥っ子を囮に捕まえようとするもの。
甥っ子とばっちり。

あっさり罠にかかるサーン。またもや銃殺。メダルゲット。
不老不死で歴史の観察者で超能力持っているんじゃないんかい、サーン！！



俺、失踪するけどあとよろしくな、俺の遺産全部あげるから！と笑顔でワープするジョン。





……エンド！！







よくわからん。



色々もやもやするんですが、一番気になったのは囮にされた甥っ子がワープしようとするジョンに、
「僕の役割って囮ってだけなの？」と言うところ。


カーター家の中でも変人で大金持ちで偏屈なジョンが唯一可愛がっていたのがこの甥っ子で、この甥っ子にだけは火星での出来事を物語として教えていた。
甥っ子もジョンのことはそれなりに慕っていて、夜間の急な呼び出しにも応じるほどだった。
その関係も囮にするという目的のための偽りの関係だったのなら……。

不安そうな甥っ子にジョンは笑顔で、

「きみには大事な役割がある」

と告げます。


励ましに笑顔になる甥っ子。
その足元には銃殺されたサーンの遺体が……。



大事な役割ってまさか遺体の片付け……？




サーンは何しに地球にきていたのか
ジョンの体をどうするつもりだったのか
電信ってどういうこと
第九光線は結局何なの
ジョンは火星に無事に戻れるのか
王女はちゃんと待っていてくれるのか（流されやすい人なので誰かと再婚してそう）
甥っ子のその後は……


なぞがいっぱい、そして段々トカゲが可愛く見えてくる「ジョン・カーター」
気になった方はどうぞ！






アマゾンでは高評価みたいですな





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